ネイティブの速い英語を聞き取れないのは、速いスピードに慣れていないことが原因と考えていませんか?そのためにナチュラルスピードや機械的に2倍速にしたスピードでリスニングをしている人はいませんか?しかしそれは効果がないばかりか弊害になることもあります。
リスニングトレーニングに速いスピードの英語が向かない理由
私たちは普通、3歳の子供と話をするときは通常よりもゆっくりのスピードで話しかけます。それはまだ日本語としての能力が十分に形成されていない小さな子供は速いスピードでは聞き取れないことがあるとわかっているからです。
ゆっくり話しても聞き取れない部分があれば、一音一音ゆっくり話してあげることもあるでしょう。そうすることによって、最初は聞き取れなかった言葉も子供は聞き取れるようになります。
仮の話ですが、聞き取れない子供に対して速いスピードで何度も繰り返し伝えようとする大人を見かけたらどう思うでしょうか? そのようなやり方では子供に伝わらないよと言いたくなりませんか?
実は英語初級者の方がナチュラルスピードでリスニングトレーニングしているのも同じ状況だと言えます。まだ英語能力に関しては幼児とも言える英語初級者の人には、速いスピードの英語は適していません。
速いスピードでは、何度聞いても聞き取れないものは聞き取れないのです。100回聞いたからといって聞き取れるようになるものではありません。
高速英語でのリスニングは逆効果になることもある
ナチュラルスピードどころか、スマホなどを使って2倍速・3倍速にした速い英語でリスニングトレーニングをしている人もいるようです。このやり方を初級者の人がやると効果がないばかりか弊害になってしまうかもしれません。正しく聞き取れず間違った発音で認識をしてしまう恐れがあるからです。
一昔前人気になったテレビ番組、空耳アワーをご存じでしょうか? 日本語でない言葉の歌が日本語のように聞こえるというものを紹介した番組です。人間の脳は知らない音を知っている音に変換するクセがあり、外国語の言葉がまるで日本語のように聞こえることがあるのです。
同じように、高速英語でリスニングしていると、聞こえてきた音を勝手に自分の知っている音に変換してしまう恐れがあります。間違った音で認識してしまうと矯正に時間がかかってしまい、遠回りしてしまうことになります。
ゆっくりスピードの英語がリスニング力向上のカギ
日本語でも初めて聞く単語の場合、聞き取れないということがあります。その場合、相手に一度ゆっくり話してもらえば、次からは通常のスピードでもその言葉を聞き取れるようになります。
最初は脳内に蓄積がなく聞き取れなかった言葉でも、いったん認識してしまえば問題なく理解できるようになります。
英語でも同じです。聞き取れない単語やセンテンスはゆっくりスピードの音声でリスニングするのが効果的です。いったんゆっくりスピードでリスニングできるようになれば、いずれかナチュラルスピードでも理解できるようになります。母国語のようにすぐにというわけにはいかないかもしれませんが、だんだんとできるようになります。
遠回りに思うかもしれませんが、ゆっくりスピードの英語を使うことがリスニング力向上のポイントであり、最短の道です。
どのくらいのスピードの音声を使うのがよいのか?
ゆっくりスピードと一口に言ってもどのくらいのスピードの英語が最適なのでしょうか?目安はテキストを見ずにシャドーイングできるスピードです。
最初は負担なくシャドーイングできるスピードでスタートするとよいでしょう。慣れるにしたがいスピードを上げていきます。シャドーイングできる英語は確実にリスニングできるようになります。
スロー英語を体験できるお勧め教材
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