ノンネイティブの英語には、文法的には間違っていないけれど、どこか不自然な英語ということがよくあります。これは英語のインプット量が少なく、自然な英語の感覚が身についていないために起こることです。
自然な英語の感覚を身に着ける方法はただ一つです。大量の自然な英語に触れることです。たくさんの英語をインプットすることによって、自然な英語という感覚が身についていきます。そして大量の英語に触れる効率的な方法が多読です。
多読で自然な英語の言い回しが身につく
多読には様々なメリットがあります。その中でも一番の効果は自然な英語の感覚を身につけられることです。
「感覚」というのは言語化しにくいものです。感覚をつかむには量が必要です。量は質に転化するという言葉があります。これはたくさんの量をこなしていくと、経験を得て質が向上していくというものです。
英語も同じです。大量の英文に触れることによって自然な英語の感覚が身についてきます。決まった英語の言い回しを様々な場面で触れることによって、脳の中にパターンとして形成されていきます。
多読の効果を高めるために注意したいポイント
簡単な英文からスタートする
多読は文字通り、たくさんの英文を読むことです。量をこなす必要があります。ですから多読に使う英語素材は基本的に辞書なしで読めるようなレベルがよいです。
1ページの中に知らない単語が3個も4個もあるような英文は向いていません。こんなに簡単でいいのかと思うようなレベルのものからスタートしましょう。
事前に英文法をマスターしておく
文法があやふやなまま多読をしても砂をざるですくうようなものです。多読を始める前に基礎文法をマスターしておきましょう。文法がしっかり身についていると多読したことが血となり肉となります。
たまには辞書を引いてもよい
一般的に多読では知らない単語に出会っても辞書を引かずに読むべしと言われます。この理由はいちいち辞書を引くことにより大意を取ることやスムーズに読むことが妨げられるからです。
しかし、多読中に何度も目にするような知らない単語は辞書を引いて構いません。むしろ多読により語彙を増やすことも多読の効用の一つですからぜひそうするとよいと思います。
返り読みしない
文法的に解釈がわからない文章に出会うと、立ち止まって文法の解釈をしたくなることもあるでしょう。しかし多読では文法的な解釈がわからなくても読み進めることが肝要です。
立ち止まり癖をなくすためにお勧めなのが音声と一緒に多読することです。音声がガイダンスとなり、振り返る暇がありません。
脳内再生される発音に注意する
英文を読んでいるとき、声を出さなくても脳内では自分の発音で英語音声が再生されています。これが多読がスピーキングにも効果のある理由なのですが、一方で多読時に正しい発音が身についていないと、多読により間違った発音が強化されてしまう恐れがあります。
そのため発音に自信がない人は、音声が付いている英文で多読をすることをお勧めします。
ネイティブレベルの発音を目指そう【英語発音練習のやり方】
多読には圧倒的に読み放題サービスがお勧め
多読用にいちいち洋書を買うと結構お金がかかります。また買った書籍が好みに合わなかったりレベルが合わなかったりするとガッカリです。
お勧めとしては読み放題のWebサービス(月額課金)を活用することです。読み放題サービスがよい点はレベルごとに書籍があること、様々なジャンルの書籍があること、そして音声が付いていることの3点です。いくつか読み放題サービスがあります。どこもおおむね月1000円程度で利用できます。